失業手当は“いつまで”もらえる?生活設計を狂わせないための基礎知識
監修:植本労務管理事務所(社会保険労務士)
ここでは「受給できる期間(受給期間)」「所定給付日数」「期間延長や特例」の3点を中心に、実務で生活設計を狂わせないための押さえどころを整理します。最終的な判断は所轄ハローワークが行います。
まず押さえる基本:受給できる“期間(受給期間)”とは?
原則として、失業手当(基本手当)を受給できる期間は離職日の翌日から1年間です。この期間内で「受給手続き後に失業の状態にある日」について、所定給付日数の範囲で支給されます。短期雇用特例被保険者は例外的に受給期間が6か月に短く設定されています。
所定給付日数と受給期間の関係(ここが混同されやすい)
「所定給付日数」は、その人が受給できる総日数(例:90日、150日、240日など)を指します。一方「受給期間」は上で述べた1年間(一定のケースで延長あり)で、所定給付日数をその受給期間内で消化する必要があります。つまり、受給期間を過ぎると未消化の日数が残っていても支給は受けられません。
所定給付日数(総日数) ≠ 受給可能な期限(受給期間)。受給期間(原則1年)内に所定給付日数を消化することが必要です。
所定給付日数はどう決まる?(年齢・被保険者期間による区分)
所定給付日数は、受給者の年齢(離職時)や被保険者期間(過去の加入期間)によって区分されています。たとえば「若年」「中堅」「高年齢」などで区分があり、被保険者期間が長いほど所定給付日数が多くなる仕組みです。具体的な区分表はハローワークが公表している表を参照してください。
受給期間の延長ルール(病気・育児等で働けない場合)
受給期間は原則1年ですが、病気・けが・妊娠・出産・育児などで「引き続き30日以上働くことができなくなった」場合には、その理由で働けなかった日数だけ受給期間の延長が認められる場合があります(最大で最長3年間の延長枠まで)。また、所定給付日数が長い(330日・360日)場合の延長上限は調整されます。
例外・特例:事業開始(起業)した場合の扱い
近年の制度改正で、離職後に事業を開始した・事業に専念し始めた場合、その事業の実施期間が受給期間に算入されない特例が設けられています。条件を満たせば本来の1年間に加えて最大でさらに最長3年分を「受給期間に算入しない期間」として扱える場合があります(要申請)。この点は事業開始を検討している方には重要な救済です。
あなたの受給「期間」をシミュレーターで確認
受給期間と所定給付日数の関係は意外と見落としがちです。失業手当シミュレーターで「受給開始の目安」と「所定給付日数(総日数)」を出して、実際にいつまで受給できるかを確認しましょう。
よくある勘違い(受給期間で失敗しやすいポイント)
- 「所定給付日数分もらえるから安心」→ 受給期間(1年)を過ぎると未請求分は消滅する。
- 「事業を始めたら受給は終わる」→ 条件を満たせば事業実施期間を受給期間に算入しない特例がある。
- 「病気や育児なら放置して良い」→ 受給期間延長の申請が必要。延長は自動ではないため早めに手続を。
実務チェックリスト:受給期間で失敗しないために
- 離職票を受け取ったら速やかにハローワークへ行く — 申請遅延で受給開始が後ろ倒しになるのを防ぐ。
- 自分の所定給付日数(総日数)を把握する — 年齢・被保険者期間で変わるので、ハローワークで確認する。
- 長期療養や育児がある場合は「延長申請」を検討 — 条件と申請手続きを早めに確認する。
- 事業開始を予定している場合は「受給期間特例」をハローワークで相談 — 起業で受給期間が損にならないか事前に確認。
Q&A(受給期間に関するよくある質問)
- Q:所定給付日数が330日・360日の場合、受給期間はどうなりますか?
A:原則の1年に加えて、所定給付日数が330日・360日の方は、それぞれ1年+30日/1年+60日など網羅的な調整があります。延長の具体的な扱いはハローワークで確認してください。 - Q:受給期間が過ぎてしまったけど申請していない日がある場合は?
A:原則として受給期間を過ぎるとその後は支給を受けることができません。受給期間内に必要な手続きを完了することが重要です。
参考・公式リンク(必読)
「いつまで」もらえるかは数字で判断するのが一番早い
まずは失業手当シミュレーターで、所定給付日数・受給開始の目安・受給期間内に消化できるかを確認してください。疑問があればハローワークや社労士に相談しましょう。
監修:植本労務管理事務所(社会保険労務士) — 本記事は制度の要点を整理したものです。個別の最終判定・具体的な日数の確定は所轄ハローワークでご確認ください。
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