目次
- 1 退職給付金は会社がやってくれる?実務で一番多い勘違い
- 1.1 冒頭の結論(先に知っておくべきこと)
- 1.2 なぜ「会社がやってくれる」と思い込みが起きるのか?
- 1.3 会社が「やってくれる」こと(一般的)
- 1.4 まずは収支の全体像を把握しましょう
- 1.5 会社が「やってくれない」・本人がやるべき代表的な項目
- 1.6 実務でよくあるトラブルとその回避法
- 1.7 窓口で使える会話テンプレ(これを言えばOK)
- 1.8 チェックリスト:退職時に必ず確認する7項目
- 1.9 意思決定は数値で判断:まずは試算を
- 1.10 よくあるQ&A(実務で現れる細かい疑問)
- 1.11 参考・公式リンク
- 1.12 まずは数字で安心を。手続きは準備が命です。
- 1.13 📊他にも様々なシミュレーターをご用意
退職給付金は会社がやってくれる?実務で一番多い勘違い
監修:植本労務管理事務所(社会保険労務士)
「退職したら退職金も年金手続きも会社が全部やってくれる」と思っていませんか?実務ではこの誤解から手続き漏れや受け取りの遅延、税務トラブルが発生します。この記事は、会社が対応する範囲と本人が必ず確認・実行すべきポイントを、社労士の視点でわかりやすく整理したものです。
冒頭の結論(先に知っておくべきこと)
- 会社は支給規程に基づく支払い手続きや離職票の作成など多くを代行しますが、すべてを自動で完了させる法的義務があるわけではありません(会社の規程や運用により異なります)。
- 企業年金・確定拠出年金(DC)の受け取りや選択、税務処理の最終確認、ハローワークでの求職申込みなどは本人の行動が必要なことが多いです。
- まず会社に「どこを代行してくれるか」「どこを自分でやる必要があるか」を書面で確認しましょう。
なぜ「会社がやってくれる」と思い込みが起きるのか?
多くの従業員は「会社=手続きをまとめてやってくれる」という前提で退職プロセスに臨みます。実際、総務が手続きを進めることが一般的ですが、労務負担や制度の種類(会社規程の退職金、企業年金、国の年金制度)によって対応範囲は異なります。特に企業年金の受給方法選択や確定拠出年金の移換手続きは、本人確認や署名が必要で、会社だけでは完結しないケースが多いのです。
会社が「やってくれる」こと(一般的)
- 退職金規程に基づく支給額の算定・支払い(会社が支払うものは会社が処理)
- 雇用保険の届出と離職票の作成・交付
- 企業年金の事務手続きの案内・必要書類の取りまとめ(代行するかどうかは会社の方針次第)
- 源泉徴収に関する支払調書や源泉票の発行(税務上の初期処理)
まずは収支の全体像を把握しましょう
退職金の支給時期により失業手当の受給や生活設計が変わります。まずは失業手当シミュレーターで受給見込みを把握してから会社に一括依頼すると手戻りが減ります。
会社が「やってくれない」・本人がやるべき代表的な項目
- 企業年金の受取方法の選択
年金で受けるか一時金で受けるか等は本人が選択する必要がある場合が多いです(選択肢がある場合)。運営機関へ申請書を提出する場面が発生します。 - 確定拠出年金(企業型DC)の移換処理
口座移管や個人型(iDeCo)へ移す等、本人の指示・署名が必要です。 - ハローワークでの求職申込み(失業手当)
離職票は会社が作るものの、ハローワークでの申請は本人が行う必要があります(認定や説明を受けるため)。 - 税務的な確定申告(退職所得の調整)
会社は源泉徴収を行いますが、退職所得の扱いによっては本人が確定申告で処理する場面もあります(具体的な要否は税務署等での確認が必要です)。
実務でよくあるトラブルとその回避法
回避のポイント(簡単3ステップ)
- 退職前に総務へ「どこを代行してくれるか」「どこを自分でやる必要があるか」を書面で確認する。
- 離職票の発送予定日、退職金の振込予定日、企業年金の締切日(選択がある場合)を確認しカレンダーに登録する。
- 重要な選択(例:年金 vs 一時金)は、税務と生活設計の観点でシミュレーションしてから決定する。
窓口で使える会話テンプレ(これを言えばOK)
例:「退職に伴う給付(退職金・企業年金・離職票・源泉票)を一括で整理したいのですが、会社で代行していただける範囲と、私が直接手続きする必要がある項目を一覧でいただけますか? 受給時期の目安も教えてください。」
チェックリスト:退職時に必ず確認する7項目
- 退職金の支給規程と支払予定日
- 離職票の作成・発送予定日
- 企業年金の種類(DB / DC / 年金基金)と運営機関の連絡先
- 企業年金の受給方法(年金 or 一時金)と選択期限
- 確定拠出年金(DC)の移換方法・必要書類
- 源泉票や支払調書の発行時期(税務処理のため)
- ハローワークへ行くタイミング(離職票受領後すぐ)
意思決定は数値で判断:まずは試算を
年金を年金で受けるか一時金で受けるか、退職金の受取時期と失業手当の受給タイミングを組み合わせると最適解が変わります。まずは失業手当シミュレーターで受給見込みを出しましょう。
よくあるQ&A(実務で現れる細かい疑問)
- Q:会社が代行してくれないと受け取れない?
A:会社が代行しない場合でも、必要書類を受け取り本人が運営機関や年金事務所へ行けば受け取れます。ただし手間が増えるので、事前に会社へまとめてもらうのが効率的です。 - Q:退職金の振込が遅れたらどうする?
A:まずは総務に振込予定を確認。会社都合で遅延している場合は証拠(メール等)を残し、必要に応じて公的な相談窓口の案内を確認する選択肢もあります。
参考・公式リンク
まずは数字で安心を。手続きは準備が命です。
退職金・企業年金・失業手当の「組み合わせ」で最適な判断は変わります。失業手当シミュレーターで受給見込みを確認し、会社に一括依頼するための準備を始めましょう。
監修:植本労務管理事務所(社会保険労務士) — 本記事は一般的な実務ガイドです。各種制度は法改正や運用変更等により取扱いが変わることがありますので、制度の最終判断や詳細は各窓口(会社・運営機関・年金事務所・ハローワーク等)でご確認ください。
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